青雲はいずこに どうして山に登り始めたか ➁
落ち込んで、沈み込んで、何か目的、目標意識を見つけないと、もう浮かび上がれないような心持の日々、鬱々と過ごす時間。
失恋ですが・・・これは私が子供過ぎたナ、彼女も私の事を好いていてくれたのに。
このダメージはきつかったナ
そんな時、見た映画『さらば、白き氷壁』
モンブランのフレネイ稜の初登攀に挑む男たちのドキュメンタリータッチの映画。
16,17歳で南は九州、北海道とヒッチハイク等で旅行していた私には新たに行きたいところも特別になかったし、国外に出るにはお金がなさ過ぎた。
かくして失恋の痛みを忘れるため、六月初めの尾瀬へ!テント、寝袋、食料、コンロを背負って学校は無断欠席、一週間の予定。
ちなみに恐ろしいことに、まともな登山経験は無し。無謀と言えば、無謀だが、地図、コンパス等の装備は万全にして、地図の見方も自己流で学習、習得しました。
ポスターの一面に水芭蕉が群生している景色を見たかった。熱中できる新しい事が見つかれば、彼女への思いも断ち切れそうな気がしたし、それでウジウジしている自分も嫌だった。
尾瀬沼から燧ケ岳、尾瀬ヶ原から至仏山、尾瀬の中をくまなく歩き、毎日が一人テント。
残雪の二つの峰のピークに立ち、俺も、クライマーになろうと心に思った。単純だけど。
尾瀬も素晴らしかった!でも、雨にも降られた。
同年
7月 上高地~前穂高岳~奥穂高岳~涸沢
8月 北海道 大沼駒ケ岳 大雪山 黒岳~旭岳
利尻岳 海抜0メートルからの登頂。独立峰の雲海はとてもきれいで、雲海が割れる
と紺碧の海が現れ、遠く樺太を望んだ。この景色に大感動!
7合目でテント。朝からは雨で、ずぶ濡れ下山。
9月 北海道の帰りに上高地へ。
涸沢~北尾根5.6のコル~前穂高岳~奥穂高岳~北穂高岳~涸沢
涸沢からの下山、雨だった。雨男の誕生。
これで、クライマーとして、山にのめり込んでいく男がひとり誕生です。
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