日暮れて途遠し、それでも㋧どこまでも、いつまでも、山谷越え・・・

つぶやき、独り言❓【自分大好き人間】の好きな生き方、

「晏子春秋」 内編諌上第一 凡そ二十五章 第十七

「景公、牛山に登り、国を去って死せんことを悲しむ、晏子諫む」


【景公は死して国を有すること能わざらんことを悲しみ、晏子これを諫む】




景公はある日、牛山に登って国や城を眺め、大いに涙を流して曰く、
「私の治める国はこんなにも雄大なのか、この国を捨てて死ぬ日が悲しい。」
楷孔、梁丘拠(二人の臣下の名)共に、公に従って泣いている。
晏子、ひとり傍らに立って笑う。
景公、涙を拭ぐい、晏子を顧みて曰く、
「私は今日の遠遊は悲しい。孔も拠も私に共感し、涙を流して泣いてくれたのに、晏子ひとりが笑っているのは何故か?」
晏子、答えて曰く、
「景公の先君には賢君があり、すなわち、大公や桓公がまさにそうで、賢君の傍らには勇者が大勢いました。こうした先君が長く斉国を保有したなら、景公まで順番が廻って来なかったはずです。代わる代わる死んでは君位を継承したから、景公まで君位が廻ってきたのです。景公ひとりが永久に死なずに国を保有しようというのは、後の君主になるべき人への不仁というものです。
 不仁の君主を一人見て、へつらう臣を二人みて、これは私が密かに笑う所でしょう。」


いやはや、痛烈。
※牛山は斉の国都の南にある山。