日暮れて途遠し、それでも㋧どこまでも、いつまでも、山谷越え・・・

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「晏子春秋」 内編諌上第一 凡そ二十五章 第八

「景公、讒佞(ざんねい)を信用し、賞罰中を失ふ、晏子諫む」


【景公を諫めて、賞罰を公平にすべきことを説く】


 景公は人の悪口を言っては、公にへつらう者を信用し、功績の無い者を賞し、罪のない人を罰してしまう。賞罰に関してまったく公平を欠いてしまっている。このままでは佞臣の徒党ができてしまう。


晏子、諫めて曰く
「臣が聞き及びますには、明君と呼ばれる人は聖人を召しだし、その教えを乞うと。
他人の悪口を言いふらし、媚へつらう者の言葉を聞いて賞罰をすることは、明君や聖人の行いではありません。今、公の左右の近臣は媚、へつらっているだけで、またそうした輩が集まってきています。
 楽しいことを少々、我慢して行わないと言うことだけでは、只々、刑罰を受けた罪人にまさるに過ぎないだけの事で、仁たる行いでも何でもありませんゾ!
 ゆえに公のお気に入りの夫人は贅沢をして国をむしばみ、公のお気に入りの臣下は偽りあって富を奪い合い、執法の役人は国民を苛酷に扱うしだい。
 国民は困窮、また病に苦しんでいるのに、姦人は奪い貯える事、はなはだしい。
悪行をする者は公に対して悪行が解からないように覆い隠し、うまく惑わしているのです。
 ゆえに聖人、賢人が有りといえども、奸臣は讒言を言い、公にへつらっている以上、公がその讒言を信じるならば人を惑わす者に中々勝てないのです。今のありようでは忠臣は災いに絶えず襲われる始末です。
だから、「私はこの場から逃げますよ!」


晏子、馬に鞭打って馬車を走らせるも、
公、臣下の韓子休に命じて晏子を追わせ、曰く
「私は確かに人徳が無かった、晏子の教えに従わなかったのがいけなかった。ごめんなさい
い。晏子が国を捨ててどこかに行ってしまったら、私も晏子に従って国を出る。」


その景公の言葉を聞いて、晏子は馬に鞭打って、すぐに引き返した。
晏子の御者(馬車の運転手がとがめて曰く、
「晏子の逃げ出すこと、なんと早い事か。引き返す時はもっと早かった。(笑)」


晏子曰く、
「お前の知った事じゃない! 公が私の言った事を理解し、反省してくれればいいのだ!」


景公の晏子に対する信頼、また二人の関係がよく見える。