日暮れて途遠し、それでも㋧どこまでも、いつまでも、山谷越え・・・

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「晏子春秋」 内編諌上第一 凡そ二十五章 第二十四

「景公、鳥を驚かす野人を誅せんと欲す、晏子諫む」


【鳥を驚かして逃げさせた野人を救い、景公に民生の重んずべきことを戒む】


 景公が鳥を射っていると、里人は鳥を驚かして、逃がしてしまう。景公は怒って捕吏を向かわせ、逮捕して死刑にしようとする。


晏子曰く、
「この里人は君が狩りをしていることを知らなかったのです。私はこのように聞いています。功の無いものを賞することを乱と言い、知らないことを罪とすることを虐といい、両者は古の聖王の禁じたことです。鳥が飛び去ったからと言って、先王の禁止したことを破るのはいけません。
 今、先王の決まり事を明らかにせず、守らず、仁義の心なく、想いの我欲をほしいままにして、軽々しく人を死刑にしてしまう。
 しかし鳥獣は古より人が養ってきたものです。里人がこれを逃がすのは仕方のない事です。鳥獣は彼らの大切な生活の糧なのです。


景公曰く、
「解った、今より、私の為の鳥獣捕獲禁止区域の規制を弛め、民の生活を圧迫しないようにしよう。」


 野鳥を里人が飼っているわけはないが、晏子は民衆の立場に自身をおいて、景公に進言する。こうして景公の反省をうながしている。景公が特別に人を死刑にすることが好きな君主でなく、普通の歴代の君主とはこうしたものだったようだ。気にいらなければ、兄弟、親族でも誅す、そうしなければ自分が成り立つことが難しい時代でもあった。


 されど斉の国主三代に仕え、ずっと諫言を続けてきた晏子が、排斥されず誅されず、天寿をまっとうしたことがある意味,奇跡かな。