日暮れて途遠し、それでも㋧どこまでも、いつまでも、山谷越え・・・

つぶやき、独り言❓【自分大好き人間】の好きな生き方、

「晏子春秋」 内編諌上第一 凡そ二十五章 第二十三

「景公、狩に従うこと十八日にして国に返らず、晏子諫む」


【景公が狩猟に嵌まり国政を忘れた事を戒む】


 景公、署梁(地名)で狩りを楽しみ、十八日も帰ってこない。晏子、国より赴いて景公に会いに行ってみると、衣冠はだらしなく、着物を直そうともせず、獣をひたすら追って走っている。景公は晏子を見つけ、馬車を降りてねぎらった、曰く、
「晏子が突然来たのは、国に何かあったのか?」
晏子、答えて曰く、
「別に急を要する事はありません。ですが、獣を好んで民を忘れるのはいかがなものでしょうか?」
景公曰く、
「どうして? 私の妻妾から訴えがあったかな? 訴訟が正しく行えない為か? 泰士(官名)の子牛(人名)が行えるだろう。社稷宗廟を祭る為か? 泰祝(官名)の子游が祭祀の事は取り計らうだろう。諸侯賓客に接待する事が不備な為か? 行人(官名)の子羽(人名)が使者の接待をしてくれるはずだ。田野の様子、食庫の管理、農産のことは申田(官名)がしてくれる。国家の財政の問題か? 晏子がいる。 今名を挙げた五人の大臣がいれば、安心できるし、心の支えだ。」


晏子、景公の言葉を聞いて曰く、
「支えようにも、支える心がいなくてはどうにもなりません。私たちがいくら政務に励んでも、支えられる側の君が十八日も留守では長すぎませんか?」


景公、ついに狩りをやめて帰る。


当時の政治の実務形態が解るかな。子牛は司法官、子游は祭祀官、子羽は外交官、申田は農林産業官、晏子は大蔵財政かん。